2024年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その栄えある第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種やお店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。
■おたる政寿司 ぜん庵
基本的に、本店と「ぜん庵」は、ほぼ同じスタッフがローテーションで勤務していることもあり、目指す「おもてなし」に違いはありません。ただ、やはり「ぜん庵」は小樽運河の目の前ということもあり、より観光客の割合が高くなるそう。
「覆面調査での結果は、じつは本店より「ぜん庵」のほうが高い評価を受けたんです」という中川さん。「良い評価も、客観的に自分たちのおもてなしを気づかせてもらいました。もちろん、チェックが入ったところは非常に勉強になりました」と見せてくれた評価シートには、びっしりと赤ペンで書きこみが。“どうしたらもっと良くなるか”の改善点が書き込まれたシートは、「本店・ぜん庵の社員、パート、アルバイトさん全員で共有しています」とのこと。「値段の割にウーロン茶が少なく感じたというご指摘は、すぐに対応しました。グラスを変え、氷の数も変えました。日ごろから、クレームをクレームと思わず、大事な勉強をさせていただいたと受けとめ、改善に取り組んでいます」と語ります。改善のためのプロジェクトチームも作って、取り組まれているそうです。
さらに、今年からは月に一回の勉強会を定例化。「たとえば、1月は“政寿司のイメージ”というテーマでそれぞれが考え、話し合います。皆の意識を、さらに一つにしていこうという取り組みです」と教えてくれました。以前からやりたいと思っていた勉強会でしたが、なかなかできずにいたところ、おもてなし認証を受けたことで「今年は絶対にやろう!」と実現したそうです。
約60名のスタッフが、「さらに良いおもてなしを」と一丸になって日々取り組んでいる政寿司。他のお店との違いに、「教育の徹底」を挙げた理由がよくわかりました。

