top of page

「スタジオ フォトス」での体験は、エンターテイメント

田口智子

更新日:2024年12月23日

 観光客はもちろん、地元・小樽や札幌のお客さまも多い、写真館「スタジオ フォトス」。フォトグラファーであり、社長の濱田 剛さんと、妻でアシスタントの佳江さん、次男の恭輔さん(現在は、姉妹店NORTH札幌店主)が家族で営むスタジオです。じつは、濱田さんは、「小樽おもてなし認証制度」を作り上げた、小樽観光協会・おもてなし力向上委員会プロジェクトのリーダーでもあります。初めての制度を一から作り上げる苦労と共に、自分の店も客観的な調査を受けるという二つの立場は大変だったそうですが、その苦労のなかで得たものは、非常に大きかったようです。


小樽の制度ができる5年前、スタジオ フォトスは、2018年にパイオニアグリーンサークル(PGC)主催の写真館に特化したコンテストで、日本一のグランプリを獲得しました。身だしなみや受け応えなどのチェック、覆面調査もあったPGCのコンテストを通して、「改めてお客さまへの対応マニュアルを作り、家族でありながらもしっかりとした会議を行うことで、店が変わりました」と濱田さんは振り返ります。その後、実際にお客さまも増え、売り上げも上がったことで、改めて「おもてなし」の重要さも実感。その実体験が、その後の「小樽おもてなし認証制度」の導入に繋がったのです。


 濱田さんは、自社について「フォトスに来ること自体が、エンターテイメントなんです」と語ります。フォトグラファーとして、技術面の向上やトレンドを押さえるのはもちろんですが、七五三などお子さんの写真撮影が多いこともあり、「主人公からすると、写真は目的じゃない」という意識で日々の撮影に臨むのだそう。ビシっと決まった写真だけでなく、撮影中の流れのなかで、いろいろな表情を切り取り、それをスライドショーで「ストーリー」として見せることで、「こんな表情も撮ってたの!?」と、お父さんやお母さんの感動はひとしおなんだそうです。

いい笑顔の佳江さん。主人公である子どもたちに「なんか楽しかった」と思ってもらうため、撮影中は本気になって遊んでいます。(写真提供:スタジオ フォトス)

なかには、「旅行の時しか全員が集まらないから」と、小樽旅行に来たのに合わせて、還暦や喜寿を記念した家族写真を撮影する方や、スタジオを訪れる海外からのお客さまも増えているそう。ホームページを探して、シンガポールから来てくれたご家族は、7歳、3歳、2歳の男の子たちに七五三の着物を着せ、時にはアンパンマンを見せて喜ばせつつ、翻訳機を駆使しながら楽しく撮影。朝に電話が来て、夕方に撮影した対応力も驚きですが、仕上がりもとてもご満足いただけたそうで、その後、シンガポールから嬉しいコメントもあったと教えてくれました。


大型チェーン店とは違う家族経営だからこその臨機応変な対応と、カスタマイズできるサービスは口コミで広がり、現在もリピーターや紹介でのご来店が多いそう。とはいえ、現在は「NORTH札幌」の店主となった次男の恭輔さんからも、「当たり前と思っている慣習がダメだと指摘されました。「おもてなし」を意識することで、今まで気づくことすらできなかったことに、気づくことができました」と語る濱田さん。家族ならではの良さもありながら、家族経営に甘んじることなく、「おもてなし認証制度」のような客観的な視点を持って学び続けることで、「スタジオ フォトス」はこれからも進化を続けていきそうです。



近年人気のロケーションフォト。「小樽に来て撮りたい」というウェディングフォトのご依頼も多いそう。(写真提供:スタジオ フォトス)




閲覧数:11回
bottom of page