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北一硝子 各店の取り組み ~その2~

田口智子

 今年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種や店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。今回は、認証を受けた企業のなかでも一番多くの店舗の参加があった北一硝子の各店・店長にインタビューをさせてもらいました。




北一硝子三号館 北一ホール

 「ここに来たくて来ました」という方も多い「北一ホール」。天井から吊るされたシャンデリアや各テーブルには石油ランプが優しく灯り、その幻想的な空間のなかで飲み物やスイーツ、お食事が楽しめます(※食事は金・土・日・月のみ)。この北一ホールの一番の「おもてなし」と言えるのが、毎朝、ランプの点灯作業をホール内で見学できるようにしていること。167個の石油ランプを1つ1つ手作業で灯すところを、お客さまに見ていただく時間を設けているんです。


 


渡辺店長曰く「営業開始の9時には、すでに見学の行列ができています。とくに土日はお客さまが多く、ホール内の見学場所に入れないこともある程です」とのこと。ただ、点灯作業は10~15分くらいで終わるため、あまり早すぎると見ているお客さまには物足りなく感じられてしまうそう。数名のスタッフが手慣れた手つきで火を灯していきますが、ムダのない作業ながらも「この時間を楽しんでいる方のために」という想いを忘れず、急ぎ過ぎることのないよう気をつけているそうです。


 とはいえ、行列が長くなるほど、開店後の店内は非常に混み合うこともあり、スピード感を求められることも。「充分な対応ができないこともありますが、認証を取得し、社内で開催している「おもてなし研修」を受けることで、忙しい時でも丁寧な口調や笑顔が増え、クレームが減りました。おもてなし認証を受けたことで、パートさんも従業員も意識が高まったからだと思います」と語ります。北一ホールに対する期待が大きいからこそ、期待を超えるために、できる限りのことをやっていますと笑顔を話してくれました。


 閉店後には、消灯したランプを磨く作業も怠りません。こんな目に見えない「おもてなし」こそ、「北一ホールのおもてなし」といえるでしょう。


 


1つ1つ灯されるランプ。ホヤをかぶせた後も、ゆるみがないかどうか、スタッフがしっかりと確認します。
1つ1つ灯されるランプ。ホヤをかぶせた後も、ゆるみがないかどうか、スタッフがしっかりと確認します。


北一硝子三号館 テラス

 国内外から、多くのお客さまがカラフルなソフトクリームを求めてやってくる「テラス」。特に人気の「8段ソフト」は小樽市内でも珍しく、写真を撮り、楽しそうに食べている姿をよく見かけます。


 そんな「テラス」の上部店長は、短大生の時に「北一ホール」にアルバイトとして入って以来、30年間も北一硝子のフード部門で働いてきました。「フードの仕事が好き」という上部店長。「忙しくても、いかにキレイに美しく巻くか」を考えているそうです。「新しいアルバイトさんが入っても、技術を均一に保つことが重要です。ソフトクリームの巻き目を揃えて丁寧に巻く。一番上の角を立てるのもポイントです!」とのこと。他のベテランスタッフからも「それぞれのポイント」を教えているので、比較的、新人さんでも上達は早いそうですが、それでもやはり「8段ソフト」は難しいそうです。







 8段ソフトは、チョコやストロベリー、期間限定の味などが順番に巻かれています。その味によって機械が違うため、順番に違う機械から巻く必要があるのですが、その機械によってソフトクリームが柔らかくなってしまい、硬いものと柔らかいものが混在する時があるのだそう。硬さが均一ではないソフトクリームでもキレイに巻けるのは熟練スタッフの技術の賜物でしょうし、「せっかくなら美しい8段ソフトの写真を撮れるように」という、おもてなしの心があるからこそできるのです。

 ただ、重さもあって持ち方によっては折れてしまう「8段ソフト」ですから、小さなお子さんにはコーンよりカップで提供することをオススメしています。時には、「コーンがいい!」と泣かれてしまうこともあるそうで、そんな時はそっとコーンを差し上げています。お子さんもニッコリ、お母さんも一安心ですよね。


 忙しいなか、店舗内の忘れ物をバス駐車場まで届けた際には、非常に喜ばれた韓国のお客さまが、わざわざ果物を買って、売り場まで持ってきてくれたことも。また、札幌までパスポート入りの荷物を届けたこともあり、感激したタイの添乗員さんは、それ以降、立ち寄った際に挨拶してくださるそうです。「意向をくみ取って、最善を尽くすようにしています」と語る上部さん。1つの「おもてなし」から始まる、こんな素敵な人間関係もあるんですね!


社内の他部署の社員から「テラスは小樽の思い出づくりに貢献してくれている」という意見があり、感動したという上部店長。「冬はあったかいドリンクなども出ますが、やっぱりソフトクリームが人気。巻いているところをじっくり見られたり、動画で撮られることもあり緊張しますが、拍手してくれるお客さまもいるんですよ!」とのこと。
社内の他部署の社員から「テラスは小樽の思い出づくりに貢献してくれている」という意見があり、感動したという上部店長。「冬はあったかいドリンクなども出ますが、やっぱりソフトクリームが人気。巻いているところをじっくり見られたり、動画で撮られることもあり緊張しますが、拍手してくれるお客さまもいるんですよ!」とのこと。





北一硝子 クリスタル館 

 白い妖精・シマエナガのガラスのオブジェがお出迎えしてくれる1階と、高級感あふれるクリスタルガラスが並ぶ2階フロアでは、ずいぶんと雰囲気が違う「北一硝子 クリスタル館」。「フロアで分けることで、世界観を見せています。どんな客層でも楽しんでいただける店舗を目指しています」と、ハキハキ語るクリスタル館の梶田店長。6年前に店長になり、現在33歳という、まさに若さあふれる店長さんです。



 おもてなし認証を受けた後も積極的にセミナーに参加しており、「こうすれば良かったんだという気づきを、多くいただいています。社内だけではなく、横のつながりの中で学べる。小樽全体の取り組みを知ったり、他社の素晴らしい取り組みも聞けたり…」と、目を輝かせながら語ってくれました。ただ、そのセミナーに参加していた他店舗の方から、「敷居が高いお店だと思っていたけれど、入ってみたら可愛いシマエナガや柔らかな接客。行ってみて良かったです!」と言われたそうで、「嬉しく思う反面、店舗名の持つイメージを改めて知りました。だからこそ、入った瞬間に感動してくれるようなお店づくりが課題です」とも話してくれました。


 「おもてなし認証に満足するのではなく、部署のみんなで同じ方向を向いて頑張っていけるよう、日々取り組んでいます!」という梶田店長の前向きさは、スタッフにも伝わっています。「クリスタル館は、スタッフの団結力が強いと思います。お客さまが笑顔だったねと報告しあったり、接客を褒め合ったり…。とにかく店長、店長とスタッフが話しかけてくれるんです」と嬉しそうな梶田さん。スタッフ同士の良い空気感は、日々の接客や店舗の雰囲気にも伝わるものです。クリスタル館では、接客のテクニックやスキルだけではなく、人間力から醸し出される「おもてなし」を感じることができました。


スタッフの皆さんの仲の良さが、お客さまへの柔らかい「おもてなし」にもつながっている「北一クリスタル館」。
スタッフの皆さんの仲の良さが、お客さまへの柔らかい「おもてなし」にもつながっている「北一クリスタル館」。

 

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