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北一硝子 各店の取り組み ~その1~

田口智子

更新日:1月16日

 今年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種や店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。今回は、認証を受けた企業のなかでも一番多くの店舗の参加があった北一硝子の各店・店長にインタビューをさせてもらいました。




北一硝子三号館 洋のフロア~北一プラザ~

 明治24年建築の小樽市指定歴史的建造物でもある「北一硝子三号館」内には、複数の店舗(フロア)があります。なかでも、三号館に入ってすぐの場所にあるのが「洋のフロア~北一プラザ~」。店長の佐藤さんも、「最初に入られるフロアなので、特に“入って来られた時のお声がけ”を意識しています」とのことでした。

 



 天井にはランプの灯るシャンデリア。2階に上がる木の階段を上がると、木骨石造の倉庫の歴史ある雰囲気にもピッタリな、ステンドグラスのランプが並ぶコーナーが。実際、お客さまから「ガラスがいっぱいあって楽しめた」「空間も楽しめました」というお声が多いそうで、「来てみてよかったと思われるような、親切・丁寧なおもてなしはもちろん、期待していらっしゃったお客さまを裏切らないという想いで対応しております」とのこと。静かな語り口の中に、お客さまに対する熱い想いと強い決意を感じました。


 実は、「洋のフロア」は、2024年から「洋のフロア~北一プラザ~」と、2店舗が1つになった店舗。ガラスの爪やすりや、海外の職人が作るアクセサリーなどが並んでいた「北一プラザ」は、どちらかというとゆっくりじっくり商品を選ぶお客さまが多い店舗だったそう。それに比べ、三号館の入口にある「洋のフロア」はお客さまの人数が多いため、スピード感も求められる店舗。「その2つの店舗が一緒になったことで、テキパキと対応しながらも、親切丁寧を心掛けています」と言う佐藤店長。ご自身も、店舗内の「ステンドグラスの窓」がお好きだそうで、「来ていただいた時の思い出が残るようにという想いで、今日もお店に立っています」と語ってくれました。石造倉庫とランプが織りなす「洋のフロア~北一プラザ~」には、“スピード感と丁寧さ”を大切にしたおもてなしがありました。


同じ建物内でも、1Fと2Fで雰囲気が違う「洋のフロア~北一プラザ~」。ただ、お客さまが納得されるような丁寧な接客は変わりません。
同じ建物内でも、1Fと2Fで雰囲気が違う「洋のフロア~北一プラザ~」。ただ、お客さまが納得されるような丁寧な接客は変わりません。


北一硝子三号館 和のフロア

 「北一硝子はたくさんの店舗がありますし、なかには何を選んでいいかわからない方もいらっしゃいます。混雑でご対応が難しい時も、お客さまに商品の魅力がわかるような工夫をしています」と語る三田店長。

じつはこの展示と広告の工夫により、入社して間もないスタッフも商品のポイントがすぐわかり、接客する側にとっても助かっているのだとか。



 また、「和のフロア」と名前がついていることもあり、インバウンドのお客さまも多くご来店しますが、「国によって、好みや傾向も違うんですよ」という三田店長。言葉はどうしているのですか?との問いに「その国の言葉ができなくても、スマホの翻訳機能を使って会話をすることもありますし、ジェスチャーなど、コミュニケーションを取ろうという姿勢が大事だと思っています」とニッコリ。時間のないインバウンドの方がすぐにお買い求めできるよう、人気の「ポケット付き酒器」はランキング形式で販売するなど、わかりやすい表示を心がけているそうです。さらに、海外の団体のお客さまが多いと、気後れしてしまう日本の方もいるので、「どちらかに偏ることがないよう両者に気を配りながら、ご対応をしています」という心配りもさすがです。

 

 パートさんを含めると18人のスタッフがいる「和のフロア」。店長として、「アクセサリーコーナーは、お客さまと一緒にコーディネートを考えるのが得意なスタッフに」など、そのスタッフの良さが生きるポジションを考えて配置しているんだそう。各スタッフのやりがいにもなり、その熱意や楽しさがお客さまへのおもてなしにも自然と繋がっているそうです。忙しい時はお客さまのレジ対応に追われてしまいがちになりますが、「一番大事なのは人と人。おもてなし認証の研修を受けて、新たな課題も感じることができ、今後に生かしていきたいです」と語ってくれました。






北一硝子三号館 カントリーフロア

 三号館内のショップのなかでも、大人気商品の「サーモマグカップ」やカジュアルなアクセサリー、かわいらしいミニチュアの動物ガラスなど、老若男女に人気の商品が並ぶ「カントリーフロア」。店長の菅原さんは、「スタッフはみな人柄が良く、それが接客にも出ています」と語ります。修学旅行生もよく来られますが、生徒さんたちは買い物に慣れてないこともあり、ドキドキしながらお店に入ってくるそう。そんな様子に「スタッフたちは、自分の孫に接するように対応してくれています。節度はありながらも温かい接客なので、生徒さんたちがリラックスしてくれるんです」と教えてくれました。



接客中の菅原店長
接客中の菅原店長



 また、北一硝子といえば石油ランプ。その石油ランプも、カントリーフロアで販売しています。ランプを求められるお客さまは、長年ご愛用されているファンの方もおり、商品に対する知識が豊富だそう。また、昨今のキャンプブームもあって「これから使いたい」という方も増えていますが、微に入り細に入り、商品についての詳細や取り扱い方法、お手入れなどについて説明しているそうです。そんな丁寧な対応のおかげで、「アンケートでも、お客さまの満足度が非常に高く、購入後に家ではこのように使っていますと写真付きでお手紙をいただくこともあるんです」とのこと。商品によっては、詳しい説明が「おもてなし」に繋がるんですね。

 

 おもてなし認証を取得後は、「取得施設同士の、横のつながりも増えました。他の店舗や他社の取り組みを聞けて、自分たちのおもてなしを振り返る良い機会になっていますし、とても勉強になっています」とのこと。「ただ、かしこまって考えすぎず、みんなの素も出してもらっています。そのおかげで、小樽らしいおもてなしになっていると思いますよ」とも教えてくれました。持ち場やお客さま、商品によって、当然おもてなしは変わります。商品のバリエーションが豊富なカントリーフロアだからこそ、臨機応変な対応が一番の「おもてなし」なのかもしれません。

 

サーモマグカップの実演コーナーは、一番リアクションのある売り場です。ここでも、とくに説明の文言は決めず、「みんなの言葉で伝える」ことを大事にしているそう。日本語がわからない外国のお客さまも反応してくれるので、接客にも自然と力が入ります。
サーモマグカップの実演コーナーは、一番リアクションのある売り場です。ここでも、とくに説明の文言は決めず、「みんなの言葉で伝える」ことを大事にしているそう。日本語がわからない外国のお客さまも反応してくれるので、接客にも自然と力が入ります。




 

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