おたる水族館
- 田口智子
- 1月20日
- 読了時間: 4分
現在、オール小樽で取り組んでいる「小樽おもてなし認証」制度。全国初・地域独自の制度として、観光協会を中心に「小樽をおもてなしの街に」との想いで活動しています。この認証を取得した企業・施設は、認証のプロセスのなかで自社のおもてなしをあらためて見直し、他の認証取得施設と共に学び合いながら、さらなる「おもてなし力」向上に努めています。そんな「小樽おもてなし認証」を取得した今年度の事業者をご紹介していきます。
小さなお子さん連れのパパやママ、おじいちゃんやおばあちゃんはもちろん、若いカップルや世界各国からの外国人ファミリーなど、本当に様々なお客さまが訪れる「おたる水族館」。お客さまの多様さもあり、おもてなしについても様々な工夫をされているようです。

学芸員として20年以上飼育に携わり、現在は総務部次長としておもてなしを担当する古賀さんは、いつも「何ができるだろうか?」と考えているそう。たとえば、駐車場から水族館入口までの長い階段は、ベビーカーや車いすの方にとって、いきなりの難関です。「駐車場は、お客さまとスタッフが最初に出会う場所。駐車場担当者には、お客さまが困っていることはないか、いつも注意するように」と話しているそうです。駐車スペースは限られますが、歩行が困難な方は正面入口の側までご案内をしています。それにより、階段を上ることなくスムーズに移動が可能になります。また、海獣公園にある「ごますけ号」もその1つ。夏に稼働しており、ご年配の方は、このカートに乗って海獣公園の坂道を行き来できます。ただ、現在は1台しかないため、いつでも使えるという状況ではありません。だからこそ、電動カートが使えない場合は「では、何ができるか?」を考えて対応しているそうです。

時代に合わせ、お客さまからの声も取り入れながら「できること」を増やしていく取り組みは、日々続いています。子育て中のパパのため、男性用トイレにおむつ替えスペースを設置。また、イスラム圏のお客さまからのご要望があれば、事務所や会議室を貸し出し、「お祈りの時間」に使用してもらっています。「お祈りの専用スペースはありませんが、お客さまがそれぞれ気持ちよく過ごせるよう、できる工夫をしています」と話す古賀さん。数年前から、毎日朝礼も行っています。「日々、皆で問題などを共有しているので、自分が気づかなくても、他のスタッフの話を聞くことで、スタッフ全体のおもてなし力の底上げに繋がっていると思います」と語ります。
そして、一番の主役である生き物たちの魅力を伝える努力も忘れません。「飼育員たちは、生き物の話をしたくてたまらないんです。例えば、このペンギンは今日デビューしたばかりなんですが、ちょっと足が悪いので様子を見ながら参加させているんですよ…など、普段からどんどんタイムリーな話をしていこうと伝えています。通路を移動している時や掃除をしている時であっても、こちらから押し売りするくらい、生き物の情報を伝えていこうと日々取り組んでいます」と語る古賀さん。飼育員のみに限らず、総務部のスタッフであっても「いつでも質問を受けるタイミング」だと捉えて、自分たちの方からお客さまにお声がけするそうです。

「おもてなし研修は非常にためになり、とても楽しい」とも語る古賀さん。「業種は違えど、人と人との関わりは同じ。これからも、皆さんと共に学びながら、サービスの一歩先にあるおもてなしを目指し、何ができるか?を考えていきます」と語ってくれました。「できないからあきらめる」ではなく、「何ができるか?」を考える。その姿勢は、まさに小樽のおもてなし力向上にとって、業種や施設に関わらず取り入れていきたいものと言えるでしょう。






