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「おたる宏楽園」で実践されているコト

田口智子

更新日:1月30日

2024年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その栄えある第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種やお店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。


おたる宏楽園


 1967年創業の老舗旅館「おたる宏楽園」。2014年、火事によって施設が全焼するという苦難を乗り越え、2016年に、見事旅館を再建。スタッフも一新して、新たなスタートを切りました。

 

 お話を伺った専務取締役の米山 佳宏さんは、かつて箱根の有名旅館で修行をされていたそうです。また、甥にあたる若旦那の米山 忠宏さんは、大学卒業後、伊豆の老舗旅館に就職し経験を積みました。そんな二人の知見や経験による学びを取り入れ、「設備」「料理」「接客」のそれぞれにおいて100%を目指している「宏楽園」は、従前のサービスに新しい感性を盛り込み、若い方からご高齢の方まで幅広い層のお客さまに愛されています。

 

 「箱根では、ひと言の伝え方の洗練さを学びました」という米山専務。たとえば、私たちが普段何気なく口にする「ごゆっくりどうぞ」という言葉は、「箱根の旅館で“伝説の仲居さん”と呼ばれている方から「ごゆっくりどうぞは省略形で、丁寧とはいえません。何をごゆっくりなのか、きちんとお伝えして」と言われてハッとしました」と言います。それからは、「ごゆっくりお過ごしください」「ごゆっくりお食事をお楽しみください」など、省略形ではなく、きちんとお声がけをしているそうです。

 

 また、「従業員の満足度が接客に伝わる」という想いもあり、スタッフをとても大事にしており、コロナ禍も1人も辞めさせることはありませんでした。「社員やお掃除を担当するパートさんなども含めると、140人くらいの従業員が働き続けてくれています。お掃除の方にも、“ここからおもてなしが始まりますから”とお伝えして、掃除を担当してもらっています」とのこと。それでも、各持ち場で何か失敗をしてしまった際は速やかに共有し、同じ失敗をしないためにシステムに落とし込むことを徹底しているそうです。


 「ブラックアウトの時は、ロビーに食事を並べ、ビュッフェスタイルで無料提供しました。飛行機は運航するとわかり、私が運転して新千歳空港まで送迎をしました。その時の海外からのお客さまが、リピーターとしてまたお越しくださった時は本当に嬉しかったです。“お客さま目線で、できる限りの対応を”というおもてなしが伝わったんだなと感じました」と語る米山専務。このお話を伺い、「おもてなし」というのは、ピンチをチャンスにも変えてくれるという事を改めて教えていただきました。

 


お見送りの際は、「ありがとうございました」と過去形にせず、「ありがとうございます」と現在形に。「これからも、お客さまとのご縁が続くよう、過去形にはいたしません。これも箱根で教わったことです」と語る米山専務。
お見送りの際は、「ありがとうございました」と過去形にせず、「ありがとうございます」と現在形に。「これからも、お客さまとのご縁が続くよう、過去形にはいたしません。これも箱根で教わったことです」と語る米山専務。

雪降る中でも、おだやかな笑顔でお見送りされている姿が印象的でした。
雪降る中でも、おだやかな笑顔でお見送りされている姿が印象的でした。


 

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小樽おもてなし認証推進協議会

事務局:一般社団法人小樽観光協会​ 

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