2024年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その栄えある第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種やお店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。
■小樽運河クルーズ
水面に近い船からの目線で小樽運河や周辺の景色を眺めつつ、ゆったりと約40分のクルーズを楽しめる「小樽運河クルーズ」。国内外の観光客はもちろん、小樽市民も新鮮な気持ちで楽しめる、老若男女に大人気のアクティビティです。
「とにかく小樽観光を楽しんでいただきたい!という想いで、日々お客さまをお迎えしています」と語るのは、小樽運河クルーズを運営する合同会社小樽カナルボートの業務・総務課 課長補佐 笹谷 明菜さん。操船とガイドを一人で担当する「キャプテン」10名のほか、受付や船へのご案内業務など25名のスタッフがいるそうですが、なんとそのうち2組はご夫婦スタッフなんだそう! 「70代の男性スタッフと60代女性スタッフも元気に働いています。もう1組の女性スタッフ(キャプテン)は、現在、育児休業中。さらに、もう一人の女性キャプテンも育休中ですし、社長の人柄もあって会社自体がアットホームな雰囲気なんです」とニッコリ。そのお話を聞くだけで、働きやすい職場なんだということがよくわかります。
そんな社風もあり、おもてなしは「親しみやすさ」を大切にしているそう。「なにより思い出に残るよう、小樽らしいおもてなしを心掛けています。キャプテンたちは小樽の歴史や文化を中心にガイドしますが、それぞれアレンジを聞かせながら、親しみやすいガイドでクルーズを楽しんでもらいたいです」と話す笹谷さん。ニュージーランド出身のキャプテン・ブラッドさんは自然が好きなので、「運河周辺の鳥など、生き物の話」をしたり、ナイトクルーズでは「星や月の話」をしたり…。同じ40分間のクルーズでも、キャプテンや時間によってガイドの内容は少しずつ違うそうです。
海外からのお客さまも多いなか、船には多言語の音声ガイダンスツールを常備。英語・中国語・韓国語の案内をイヤホン(無料)で聞くことができます。「残念ながら、全スタッフが外国語対応できるわけではないので、乗船待ちの時間などはスマホアプリなどを使いながら、身振り手振りでコミュニケーションを取っています。夏には、日本のアニメキャラクターTシャツを着ている海外の方と盛り上がりました(笑)」と笹谷さん。
出航待ちのお客さまとのトークは地元感満載だそうで、「雑談に近いかもしれません。それでも、朝、チケットを購入いただいた方が夕方戻ってきて、オススメされた〇〇に行ってきたよ~なんて言われると、本当に嬉しいです」と目を輝かせて教えてくれました。
冬の時期は、社長自ら小樽運河・中央橋の雪かきをしたり、夏は中央橋で座り込んでいた熱中症気味の方を介抱し救急車を呼んだりと、クルーズに直接関係のないことも進んで行っています。そんな業務以外の「おもてなし」の1つが、チケット売り場に飾ってある「小樽運河のジオラマ」。70代の男性スタッフが自ら作って、持ってきてくれたそうですよ!


「愛を持っておもてなし」を行っている、小樽運河クルーズ。小樽市民割があるのも、私たち、小樽市民への「おもてなし」ですね。